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「決定的瞬間」仏の写真家ブレッソン氏死去

 「決定的瞬間」という写真美学で知られ、20世紀を代表するフランスの写真家、アンリ・カルティエ・ブレッソン氏が3日、仏南東部のセレストで死去した。家族が4日明らかにした。95歳だった。

 1908年8月22日、パリ近郊で、裕福な実業家の長男として生まれた。絵画を学び、映画製作に携わる一方、1930年代初めに写真を発表し始めた。小型カメラのライカを愛用し、報道写真家の先駆者として、スペイン内戦や第2次世界大戦中のパリ解放の様子、インド独立の父マハトマ・ガンジーなどを撮影した。

 47年にロバート・キャパらと写真家集団「マグナム・フォト」を結成。フラッシュを使用しない白黒写真で、歴史の一瞬を正確に記録することに固守した。52年には、それまでの作品をまとめた第1写真集を仏・米で出版。米国版のタイトル「決定的瞬間」は出来事の意味をとらえ、しかも完全な構図が生まれる一瞬をとらえる重要さを説いたもので、その写真美学は世界的な影響を与えた。

 芸術家のポートレートやフランスの庶民の表情も撮り続け、代表作に「パリのムフタール街」「ベルリンの壁」などがある。

 70年代半ば以降、青年時代からあこがれていた絵画に取り組み、写真界から遠ざかっていたが、昨年もパリで大回顧展が開かれるなど声価は衰えなかった。

 シラク仏大統領は4日、「フランスは天才で生粋の写真家を失った」とする声明を発表、その死を悼んだ。(読売新聞)


 写真集「決定的瞬間」などを発表したフランスの20世紀最大の写真家で、風景や人物写真に芸術性を与えたアンリ・カルティエブレッソンさんが3日、別荘のある仏南東部セレストで死去した。95歳だった。死因は明らかにされていない。1908年パリ郊外のシャントルー生まれ。父親は実業家。1930年代から写真家として活躍し、第二次大戦中はドイツに対するレジスタンス運動に加わった。戦後、ロバート・キャパらと写真家集団「マグナム・フォト」を設立するなど報道写真家として活躍したが、真骨頂は写真の「アンティミスト(内面派)反抗」と言われたように、一瞬のうちにカメラでとらえた人物の表情や風景の写真だった。

 近年も毎夏に南仏アルルで開かれる国際写真展に出品していたほか、昨年4月にはパリのモンパルナス近くに写真美術館「カルティエブレッソン館」を開館、年3回、展覧会を開催し新旧の写真の紹介に努めた。(産経新聞)


 ロバート・キャパらと写真家集団「マグナム」を設立し、写真集「決定的瞬間」で知られるフランスの世界的な報道写真家アンリ・カルティエブレッソン氏が3日、同国南部の自宅で死去した。フランス公共ラジオが報じた。95歳。死因は明らかにされていない。

 1908年、同国ノルマンディー地方生まれ。絵画や映画を学んだ後、30年代から小型カメラのライカを持って、ファシズムが猛威をふるう欧州や世界各地を旅して人々の日常生活を記録。スナップショットでルポルタージュの分野を開拓、拡大し、現実感あふれる作品を残した。

 36年に新聞社の試験を受け、ともに不採用となったキャパらとワインの大瓶(マグナム)を空け、スペイン内戦の取材に行ったエピソードから、47年にマグナムを結成。60年代までのフォト・ジャーナリズムの全盛期を支えた。(共同通信)

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